頭の中身をprintf

おっさんITエンジニアの頭の中身を記述するだけのBlog。なお、基本コンセプトは「理系男子」。目標としているのはHellow World!以上の文字列をはてなブログに出力すること。最近、妄想ブログになりつつあるのが悩みといえば悩み。

AI Feat. KIRAKIRA☆World

冒頭にまず自戒を込めて

まずそもそもだ、40歳過ぎのおっさんがフューチャリング キラキラ☆ワールドとか言うな気持ち悪い。

キラキラお仕事

子供達の夏休みの課題図書を借りに近所の図書館まで付き合ったある日のこと。ああ最近の子供達は恵まれているな、小学生のうちからこんなに本から情報を得ることができるんだ?なんておっさん感情を炸裂させつつ図書館内を眺めていたら目に付いたあるシリーズの本。ありがちではあるけれど子供達へ仕事の興味を持ってもらうためのお仕事紹介シリーズ。

あー自分が子供のときからこんな本に巡り会えていれば、と一瞬過去を悔やんだけど間髪入れず無かったことにして、子供が読みたいという理由で「ITのお仕事」を借りてくる。家に持ち帰り子供よりも先に本を開き眺め始めると、まあ表紙から想像はついたもののベージをめくるたびに繰り広げられるキラキラ☆ワールド。

フレックスで出社してメールを確認し、ミーティングはパステルカラーのテーブルが並ぶオープンスペースで済ませ、ランチはモダンな空間でバランスのとれた和食や洋食を選び放題。紹介されるITの仕事に就いている若者達のお気に入りの小物にはオシャレなペンケースやら机で使うクッションやら、そしてiPhoneもしくはMacBookが必ず含まれる。

当然夜遅くまで残業するはずもなく、AIエンジニアの若者は夜間にAIチューニングのためにMacBookからクラウドのにあるサーバで学習をスタートさせ帰宅。帰路のお供はAIの文献や論文を鞄からとりだして目を通す。

いやほぼ同業者として否定はしない。ああ否定はしない。否定はしないが、グッとガマンして否定はしない。逆に子供達が成長しこの業界の職に就いたら、いや就いてしまったらこの業界全てがこの本にあるようなキラキラ☆ワールドであれば喜ばしいことだと思う。あえて言うのであれば、あんなランチは毎日食べてみたい。
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キラキラ変身ヒーロー

この季節は毎年日曜日の朝テレビで放送される変身ヒーローが交代する時期。これまでのヒーローは時空を超越しまくって正直話がよくわかんないなぁ、と子供の横で眺めつつ思っていたところ、新しいヒーローはAIで制御されるヒューマギアと戦うようになってしまったじゃないか。主人公の若者が何故か巻き込まれ変身して戦わざるを得なくなる、というあたりは平成に入ってからの歴代ヒーローと変わらない気がするけれど、今回はAIをお題目にしているだけあってチュートリアルモードで学習し推論しながら戦う、なんてこともする。ちゃんとAIのことを考えているじゃないか。

そして今回主役の変身ヒーローは「売れないお笑い芸人」、いや何故かお笑い芸人からヒューマギアを製造する企業の社長になってしまった若者が務め、皆を笑顔にしたいという思いを新たにして戦いに挑む。ご多分に漏れず最近の変身ヒーローと同様に変身するヒーローは一人ではない。主人公とは対極にヒューマギアは悪とする政府関係者と、ヒューマギアは善とするお笑い芸人成り上がり社長との思想のぶつかり合いが今後予想される。なかなか社会問題を映しているようで興味深い。

ヒューマギアを製造する企業の御曹司の演技力はともかく、変身ヒーローが最終回までに目指すのはAIが搭載されたヒューマギアと人間が共にリスペクトするキラキラ☆ワールドであることを願いたい。
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ドロドロ■ワールド

キラキラ☆ワールドを否定するつもりは無いが、おっさんになるくらい人生を歩むとドロドロ■ワールドのひとつやふたつにはお目にかかる。仕事で言えば顧客先に常駐するとき空調の乏しい倉庫脇の会議室で毎日パイプ椅子に座り、昼食は毎朝コンビニで購入した簡単なもので済ませ何日も終電過ぎまで働いたこともある。夜中にガラケーのメールで目を覚まし何が起きたのだと不安を抱えながら出社することも何度も経験した。もちろん、そんなのまだ甘いと悲劇的な仕事を経験した人はたくさんいるだろう。

そんな武勇伝はいくつも転がっているこの業界ではあるけれど、やっぱりなんだかんだ言ってキラキラ☆ワールドに人は憧れてしまうのではないか。代表的なものを上げればネコ型ロボットの出身地、いや出身世紀の23世紀はキラキラ☆ワールドが広がっているような気はしないか?透明な半球ドームを屋上に備えた高層マンションに人々は暮らし、本来人口密集地には影が薄くなるはずの緑が多数目に入り、タイヤがないクルマが渋滞することなく空を行き来する。

既に物理的にその設定年代を迎えてしまったが、鬼才的な白髪の科学者がスクリーンの中で発明しオールステンレスボディのアメリカ車に搭載された得体の知れない装置で連れて行かれた未来には、空中を浮遊するスケートボードや濡れると内蔵ファンで乾かしてくれるベストに靴紐を自動で締めてくれるスニーカーがあったりした。何れも今の時代実現されていると言っても過言ではないから、既にこのスクリーンに描かれたキラキラ☆ワールドには突入しているのかもしれない。あまり実感は無いが。
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永遠の憧れ

つまるところ、キラキラ☆ワールドは人類の永遠の憧れなのだ。たとえ経済情勢が怪しく円高でも気候変動で暑くても通勤電車が遅れて乗車率150%でも、キラキラ☆ワールドは正義なのだ。

ここでひとつ、ひみつ道具が登場する小学5年生がよく昼寝をしているあの部屋を思い返してほしい。何故かわからないけど事あるたびに少年はあの部屋でひみつ道具にお初にお目にかかりお世話になる。ひみつ道具にお世話になること自体が問題だ、などという根性論的な議論はここでは建設的ではない。それはひみつ道具の存在価値の大部分を否定しておりキラキラ☆ワールドの産物を否定している。そもそも人間という生き物は大なり小なりひみつ道具のようなステキで魔法のようなことを実現してくれるキラキラした何かに憧れてしまうのではないか?ほら、まるでひみつ道具のようなスマートフォンをいま目の前で見つめているじゃないか。

あの部屋でネコ型ロボットは毎回のように少年からの頼み事を聞き入れ、渋々とお腹の次元を超越したポケットに丸い手を入れて高々とその名称を叫びながらひみつ道具を持ち上げる。さっきまで「しょうがないな〜」なんて言っておきながらイザそれが登場すると誇らしげに機能や能力、使い方に注意点などを実演し始める。少年は目を輝かせ「ねえ僕にも貸してよ〜」と頼み込み、まるで熟練者のようにひみつ道具を使い始め、まあこの先は少年が痛い目にあったりその友達や家族がヒドイ目にあったりで話は幕を閉じる。

いや、エンジニア目線でいつもこのご長寿アニメを見ると関心してしまう。何をって、いつもひみつ道具を小学5年生がラクラクと使いこなしているではないか。

何故だ。まず使い方、すなわちユーザーインターフェイスが実に洗練されている。キミの10年後を見せてあげよう、というときに登場するタイムテレビでもボタン3個とダイヤルひとつくらい。どうやらこれで緯度経度や地表高度に年月日時分秒、カメラのズームイン、ズームアウトに上下左右の撮影方向と移動方向に速度といった様々なパラメータを何故か調整できるらしい。きっと何かしらキーコンビネーションで各種パラメータをコントロールできるのだろうけど、どうやら小学5年生でも直感的にキーコンビネーションを理解できる、らしい。あのタケコプターだってスイッチのON/OFFしかインターフェイスがないのに、あんなに自由自在に空を飛べるのだ、素晴らしい。

次に形状。ガリバートンネルなんて実に優れた形状をしているじゃないか。あの形を見て小人になりたいからと小さいトンネルの方から歩いていこうなんては思わないだろう。ヒヤリハットを防ぐ実に優秀なデザインで23世紀のグッドデザイン賞でも受賞しそうだ。スモールライトでも同様のことは可能だが、形状という観点ではガリバートンネルに一日の長がある。でもタイムふろしきはいただけない。ときどき裏表を間違えて新しくするつもりが古くなってしまったりと少年たちを落胆させてしまう。裏表で色分けはされているようだが、色に頼らないもう少し明確な区別が必要になりそうだ。そういえばスモールライトとビッグライトの区別ももうひと工夫したほうが良いかもしれない。

そして何よりも驚かせられるのが、絶対究極的に優秀な音声認識技術が実装されていることだ。空気砲なんて窮地に至ってしまった際、ここイチバンのタイミングで発射されなければ問題が深刻になるかもしれないのに、トリガーが音声認識なのだ。様々な雑音が入り交じる窮地において暴発することなく、ネコ型ロボットと少年たちが「ドカン!」と叫ぶまで発射されず、叫んだときにはタイムラグなく即座に発射される。しかも誰の声で叫んでも、なのにおそらく悪者が「ドカン!」と声を発しても空気は発射されないのだろう。なんというテクノロジーなのだろうか?

さらに音声認識のことを言えばだ、どうやら音声認識エンジンだけでなくそのバックエンドにはより高度な意思類推エンジンが搭載されていると思われる。母親に叱りつけられ少年的に怒り心頭に達し、どこでもドアに向かい「どこか遠い南の島へ!」なんてよく叫ぶではないか。音声認識は優れたエンジンがあったとしてだ、いや「どこか遠い南の島」ってどこにすればいいんだよ?なんて人間の大人でも難しくはないか?あんまり南の島だと極地域に近くて寒くなるし、だからといってグアムとかサイパンだと日本人観光客が溢れていて癒やされないだろう。ここはひとつポリネシアミクロネシアの名が知られていない島、あるいは親日で知られているパラオの近くの無人島でどうたろう??なんて一瞬で類推され望み通りの「どこか遠い南の島」へ連れて行ってくれるのだ。これも驚異的なテクノロジーじゃないか。

おそらくこういったひみつ道具音声認識エンジンは究極的にチューニングされたAIを使用している。そして意思類推エンジンもきっと超絶的に学習を繰り返したAIを使用している。ひみつ道具、いやキラキラ☆ワールドにAIは必要不可欠なテクノロジーであることは間違いない。変身ヒーローが戦うヒューマギアのようにAIが暴走して人類を滅亡させるのではないかと悲観的に捉えるのもよく分かるが、もっと前向きに考えてはどうか?AIが暴走しても蛍光カラーで派手な電動ではなく内燃機関のオートバイを自在に操る変身ヒーローが現れ、あっという間に暴走ヒューマギアを倒してくれるに違いない。いやそう信じよう。AIは我々にキラキラ☆ワールドを目の当たりにしてくれる大切な一端を担っている。AI Feat. KIRAKIRA☆Worldなのだ。
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見てみたい

おそらく人生の半分を歩んでしまった自分ではあるが、そんなキラキラ☆ワールドが実現された未来を体験してみたくて仕方ない。

長生きすればいつの日にかという説もあるが、若者達の手を煩わせ手伝わせ面倒をかけさせながら年寄りがキラキラ☆ワールドを眺めて喜ぶのも若者達に気の毒だ。そうならないように息絶えるまで健康には気を使おうと思うが、手っ取り早くキラキラ☆ワールドを体験するためにはどうすれば良いのだろうか?

やはり机の引き出しから乗り込めるあのマシンを使うしかないだろうか?いやあのマシンはときどきブレーキをかけ忘れてとんでもない時代に漂流してしまうこともあるからちょっと心配だ。じゃあオールステンレスボディのあのクルマに乗せてもらおうか?いやいや残念ながらまだこの時代アルミの空き缶やバナナの皮から核融合で膨大なエネルギーを抽出する技術は確率されていないはずだ。だからといってプルトニウムを扱うのは放射線を浴びるだろうからさすがに遠慮させていただきたい。じゃあ何時どこに落ちてくるか分からない雷の電力を使おうか?いやいやいや落雷地点の予想がつかないのにタイミングよく例のアメ車を走らせるのは困難極まりない。

こう考えるとキラキラ☆ワールドも追いかけるとどうやら、なかなか手厳しいのかもしれない。だからこそキラキラ☆ワールドなのだ。いつまでたっても追いつけないのがキラキラ☆ワールドなのだ。でもおっさんはいつまでたってもたどり着けないキラキラ☆ワールドを求め、ただひたすら毎日をキラキラ☆ワールドの妄想に明け暮れながらゆっくりと未来へと歩む。
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結局のところ、例のアメ車とプルトニウムや1.21ジゴワットの落雷の電力、空き缶とバナナの皮や暴走させた蒸気機関車の動力を使う必要もない。ただ毎日ゆっくり未来へ歩めばいつか、キラキラ☆ワールドにたどり着くような気がするじゃないか。いやそうだ、そういうことにしておこう。その時が来るまであの少年のように昼寝でもして待つのもまあ、悪くないのかもしれない。

ただ注意しなければならない。毎日昼寝ばかりしてはカミさんに叱られてしまうのは、絶対究極明示的に明らかなのだから。

ならばどうだ。

「ねぇ〜?カミさんのご機嫌直し機を出してよ〜?」

「そんな道具あるわけ無いだろう??」

そうか。

その道具はキラキラ☆ワールドにも、無いんだな…?