頭の中身をprintf

おっさんITエンジニアの頭の中身を記述するだけのBlog。なお、基本コンセプトは「理系男子」。目標としているのはHellow World!以上の文字列をはてなブログに出力すること。最近、妄想ブログになりつつあるのが悩みといえば悩み。

あらしはYouTuber

親友のお兄さん

今年のお正月のことなのですが、某有名リサイクルショップに出かけた際(ワタシ、ジャンク品を物色するの好きです)SHARP MZ-80Bにバッタリ出くわしました。幼い頃に初めて触れた「パーソナルコンピュータ」がMZ-80Bの後継機となるMZ-2000。親友のお兄さんに偶然バッタリ出くわした気分になりました。
f:id:macfellow-norland:20190810105722j:plain:w320

その説は弟さんにお世話になりました。その後いかがお過ごしですか?随分と貫禄がついたようにも見えますし、幾多の修羅場をくぐり抜けてきたのか少しお怪我をされたかのようにも見えます。引退してもおかしくないお歳なのに、まだ売り場に並び現場の第一線で活躍するつもりとはご気丈ですねえ。なんて話したような話さなかったような気分で正面で5分間ほどフリーズ。いまにも朽ち果てそうな雰囲気すら感じられたのでキーを叩く感触を確かめることもせず、写真を1枚撮らせてもらい店を後にしました。

ちなみに今年3月末に再度お店に出向いたら既にMZ-80Bの姿は無かったのです。廃棄されずに現役で動いていてくれると、なんとなく嬉しい。

ざっくりと

さて、おっさんが過去の武勇伝をタラタラと語り続けるのは面倒な職場の飲み会でさんざん経験しまくったので自粛してざっくりと。

幼いころ触ることができたMZ-2000グラフィックカードも増設されていなかったので黒いブラウン管の画面に緑色の半角英数字と半角カナが表示されるのみ。自分の息子が毎日遊んでいる小さなNintendo Switchのグラフィックの美しさを横から眺めると隔世の感があるけれど、それでも触るのが面白かった。電源を入れると自動的に開くカセットテープ(AAT)ドライブのフタに近未来を感じつつ、BASICが記録されたAATを差し込んで待つこと確か2分くらい。今や仕事では扱うことが無い行番号付きのソースコードを必死に打ち込み動かしては喜んでおりました。

はっきりと覚えているのは、当時人気のマンガ「ゲームセンターあらし」がBASICを初歩から教えてくれる「こんにちはマイコン」を小学校低学年のアタマで何度も読み返し、if文やfor文に挑戦しては挫折していたこと。今の自分の生業が成り立っているのは、この入門書があったからと言っても過言ではないはず。ちなみにググってみると「こんにちはマイコン」は元号も変わったこの時代に電子書籍として購入することができるらしくこちらも隔世の感。 ja.wikipedia.org

イムリーなことにPC-8001復刻版の「PasocomMini PC-8001」が発表されている。いや、興味が無いと言ったら嘘になる。 japanese.engadget.com

その後に触れたNEC PC-9801RX2やEPSON PC-386GEでは98MAGAZINEなんかを隅から隅まで読み、AUTOEXEC.BATやCONFIG.SYSを書き換えて拡張メモリ付属ツール(BuffaloではなくメルコのMELWARE)を使いコンベンショナルメモリにVZエディタを常駐できた!なんて遊んでいた記憶あり。いやネクラだ。黒歴史だ。当時の自分を叱ってやりたい。なおそんな黒歴史を迎えていたのは高校生の頃だったから、若かったなああの頃。

時は流れ数十年

21世紀のいま、自分がMZ-2000に触れた年頃に子供たちが成長。自分の黒歴史を踏まえるとさすがにMZ-2000を買い与える気持ちにはならないものの休日にAndroidタブレットでマインクラフト(マイクラ)に夢中になっている姿は事実として受け止めなければならない。
f:id:macfellow-norland:20190810110046j:plain:w320

いまの時代、ゲームセンターあらしの「マイコン入門」は無いけれどYouTuberたちが次から次へとマインクラフトのテクニックを配信している。子供達がその動画を眺めながらマイクラの自分のワールドでテクニックをマネして様々なアイテムを作り上げようとしている。なんだ、昔お父さんが「こんにちはマイコン」を読み返しながら画面に半分理解できていないif文やfor文を打ち込んでいるのと変わらないじゃないか。

レッドストーンの並べ方がまずかったとか、TNTの置き場所が悪かったとか、傍らから眺めていると多少の四苦八苦をしながらバルカン砲のようにタイマツを打ち続ける砲台や、4つの時計の針の向きを決められた場所まで回さないと開かないドアなんかを作っては喜んでいる。なんでこんなことできるの?と尋ねると「わかんなーい」と堂々と答える。まずい、ますます自分の過去と重複してくる。マイコンBASICなんかの雑誌で5ページくらいに渡り掲載されていたソースコードを意味がわからないまま手作業で画面に打ち込み、うまく動いたとか動かないとか四苦八苦して独り喜んでいた自分の姿と。

そしてYouTuberたちに影響されてか、小学校低学年、中学年のくせにJava版のマイクラが欲しいと騒ぎ始める。いやそもそもお前たちJavaとは何なのか知っているのか?オブジェクト指向を理解しているのか?javacでコンパイルしても生成されるのは中間コードなんだぞ?中間コードだからってリバースコンパイルでもする気か??まあデバッグは可能な限り付き合おうとは思うけど。

歴史は繰り返されてしまうのか。いや「黒」歴史が繰り返されてしまうと言ったほうが良いのか。

自分が幼い頃には「こんにちはマイコン」があった。今の子どもたちにはYouTubeがある。私の両親はインターネットが張り巡らされ日々の生活にスマートフォンという名のコンピュータを必要とする時代が来ると知ってか知らずか、高額なMZ-2000を自分達兄弟に買い与えてくれた。それが正解だったのか不正解だったのかは、スマートフォンを持ち歩かない若者がいない今の世の中を眺めれば絶対的に自明だろう。

ならば、今度はワタシが自分の子供たちに何かを与える出番だ。でも何を与えれば良いのだ。繰り返すけれどゲームセンターあらしの「こんにちはマイコン」は今の時代YouTuberなのだ。あらしはYouTuberなのだ。親が買い与えなくともタブレットYouTubeアプリを自在に操り、見たいマイクラのテクニック動画を四六時中眺めることが既にできてしまっている。親の出処が無いじゃないか。つまらん。

親のITリテラシー

使い方わからないだろうからまあいいか、とAndrordタブレットをポンと渡したらどこから情報を得たのか知らないけどいつの間にかマイクラでワールドを作って遊んでいる。情報源はやはりYouTubeで、Google音声検索で欲しい情報だってある程度探し当てることだってできている。となると一抹の心配事が必然的に生まれる。ゲームセンターあらしは悪いことは教えなかったけれどYouTuberはヘンなこと教えるかもしれない、ということ。
f:id:macfellow-norland:20190810110336j:plain:w320

いやゲームセンターあらしだって何故か宙に浮きながら屋内だったら消防法とかに引っかかりそうな「炎のコマ!」とかやってるじゃないかと言われそうだけど、さすがにそれはマネできなかった。個人的主観だけど下手にYouTuberは現実味があるから自分でもできるんじゃない?なんて簡単に思ったりはしないだろうか?アルミホイルでアルミ玉を作るくらいならまだ可愛い。

Googleもある程度は分かっているのか子供向けYouTube(YouTube KIDS)を提供しているみたいだけどどうなんだ?そもそも心無いYouTuberが不適切動画を意図的に子供向けYouTubeに投稿したらどうなるんだ?優秀なAIが24時間365日稼働して悪質動画がアップされた瞬間に不適切と判断され削除される時代はもう少し先になりそう。おそらくイタチごっこが続くのだろうから、そんな心無いYouTuberがアップした動画を子供達が目にする可能性は十分にある。

何を持って不適切とするかは議論しても結論が出ないだろうから、差し当たりは対処療法でやり過ごすしかないだろう。

対処療法とはつまり(簡単じゃないだろうけど)YouTuberよりも面白いと思わせることを見せてやればいいのだ。幸いなことに(?)ウチの子供達はマイクラに夢中。歓喜の声をあげながらマイクラの実況中継をしているYouTuberよりも面白いマイクラのテクニックをお父さんが見せてやればこちらに興味を持つに違いない。そうすれば子供達も所詮YouTuberもこんなものかとまた違った角度でYouTubeを眺めるに違いない。ちなみに個人的にあの実況中継の歓喜の声はちょつと苦手。もう少し静かにやってくれないものか…

親のIT教育

さてマイクラのテクニックを作るにあたってどうすれば良いか。普通にマイクラをやっても面白くないから、まずマイクラサーバは家庭内Linuxサーバに構築しよう。軽く調べたらjarファイルをダウンロードして動かすだけで大した話ではない。マイクラクライアントはJava版ではなく統合版にすればAndroidタブレットでもPCでもマルチプレイができそうだから良さそう。ただ我が家にはWindowsマシンが無い。LinuxだとJava版しか動かないからここはひとつジャンクノートPCとかを手に入れてWindows10マシンに仕立て上げる必要がある。何故ジャンクなのかは、ただジャンクが好きだから。

もし仕事で宿泊を伴う出張になってしまったらその日の夜はマルチプレイができなくなってしまう。だからOpenVPNサーバとかも構築して家の外からでも子供達とマイクラで遊べるようにする必要があるかもしれない。グローバルIPアドレスの取得申請してDDNSはどうしようか?さすがにDDNSまではいらないかも。

いやいや、肝心のテクニックはどうやって生み出すんだ?まあそのあたりは適当に遊んでいたらそれっぽいものが出来上がるんじゃないだろうか?基本的にif文とfor文が理解できていればなんとかなるんじゃないか?ifとforはこんにちはマイコンで習ったんだし、この歳になるまでITエンジニアを生業にしているけどifとforでなんとか仕事できてるんだし。いやほんとに。
f:id:macfellow-norland:20190810110714j:plain:w320

最終的にマイクラのワールドに納得いくものが出来上がったらどうしよう?やはりここは「配信」するべきだろう。いや配信といっても世界中に配信するわけじゃない、家庭内LANの中だけで配信するのだ。USBのWebカメララズベリーパイをつないで手軽に動画を撮影できるようにでもしてみるか?家庭内Linuxサーバにnginxを構築すれば動画配信はできるらしい。ラズパイからどうやって動画を家庭内サーバにアップするかは考えものだけど、やってできないことはたぶん無い。

さて配信し始めたらどうなるだろう?可能ならチャンネル登録やコメント投稿だってできるようにしたいけど家庭内サーバに構築するのは難しいか?構築できたとしても家庭内でしか配信しないからチャンネル登録してくれるのは子供達二人だけ。おそらくカミさんはあきれた顔をして横目で眺めるだけ。再生回数は仕事から帰宅するたびに増えているだろうか?コメントで「見逃していたけどあそこにラピスラズリありましたよ?」とか「そのエリトラはもう少しエンチャントしたら便利になりますよ?」なんて指摘されるかもしれない。いやマイクラの単語は難しい。

そんなやり取りを繰り返すうちに、世の中を賑わせているYouTuberよりも家庭内動画の方が面白いと思い始めるに違いない。学校から帰ってきたら宿題を済ませるか済ませないかは置いといて、我が家のマイクラ実況中継を見るのを楽しみにするのだ。毎月10日は新しい動画が投稿される日だ!なんて喜々としながら学校から帰ってくるのだ。いいじゃない、家庭内円満でなかなか悪くないじゃないか。毎月10日の配信締切はちょっと辛いけど。

親のITリスクマネジメント

いやまて良いことばかりじゃない。下手な動画を投稿したら「炎上」する可能性だってあるんじゃないか?家庭内で炎上したからって何なんだ?なんて思ってはいけない。動画でごくごく身近にいる人にうっかり誹謗中傷的な言葉を投げかけてしまい、コメントに見るに堪えがたい言葉が羅列されるのだ。「パパ嫌い」とか「パパ嘘つき」なんて辛辣な言葉が子供達のIDで並び始めるとこれは辛い。いやコメントに非情な言葉が並ぶだけならまだ良いかもしれない。翌日から晩ゴハンのおかずがひとつ減り、翌日にはふたつ減り、と言葉にならない粛清を目の当たりにするかもしれない。空腹のまま仕事から帰宅した時にこの制裁はかなりの苦痛を伴うだろう。
f:id:macfellow-norland:20190810111859j:plain:w320

じゃあ逆にバズったらどうなるんだ?チャンネル登録数だって2にしかならないはずなのに家に帰宅してみたら登録数が100とかになってたり、朝出勤する前に再生数が7とかだったのが帰宅したら1,500以上になっていたりしたらラッキー広告料入るかもー?!なんて喜んでいる場合じゃない、カミさんは広告主になってくれないだろうから家庭内動画配信で広告料は入らない。動画の途中で自動的に広告が入るように実装したつもりはないんだけどー?とか疑うべきだろう。いやこれはクラッキングされたか?WiFiのパスワードを変えるとかSSL証明書変えるとか何かしら対処が必要になるんじゃないか?小学生の子供達が「ああPostgreSQLの項目値をちょっと変えたんだよねー」なんて白状してくれればセキュリティインシデントにはならず安心だ。ついでだがその変え方は後でパパにも教えるように。
f:id:macfellow-norland:20190810111944j:plain:w320

実装と実現ができるかどうかは置いといて、これくらいやれば子供達に「こんにちはマイコン」並の貢献をしてやったことになるんじゃないだろうか?家庭内で炎上してもバズってもディスられても、自分が幼い頃におそらく概念すら存在しなかったネチケット的な教育を家庭内で子供達に与えることができるんじゃないか。それはおそらくスマホを持ち歩かない若者はいない今の世の中で、この先安らかに生きていくために当然のように身に着けておくべきスキルなんじゃないだろうか?「ああ、即レスは大事だけどやりすぎると相手にも負担になるから、程々にな親父」なんて将来言われたら教育は間違っていなかったと安心できる。即レス好きなんだけどダメなの??

まあつまり要するに、ITが子供達の生活を取り巻いている現状について考えるところは絶えず途切れず色々あるんだけど、あらしはYouTuberで、YouTuberはパパTuberなのだ。なんてねー??